2018年4月26日木曜日

怪しく光るは、HPLC

今回は研究室の案内。

さっそくVR画像を。
HPLC #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
こちらでいろいろな配線があって、赤と緑のランプが光っている機械があると思う。

この機械を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)という。High Performance Liquid Chromatographyの略で、高い効率の液体クロマトグラフィーである。

クロマトグラフィーとは、その昔、ロシアの植物学者が色素を分離するために、炭酸カルシウムを筒(カラム)につめて、石油エーテルに溶かした色素成分を分離したのが始まりである。

今では色素のみならず、あらゆる物質を分けるために実に様々なクロマトグラフィーが存在する。

このHPLCでは、その名の通り、液体中で物質を分離して、検出する。気体中で物質を分離して検出する場合は、ガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography, GC)となる。

検出の方法には様々あるが、一般的なのは吸光度である。ある波長の光を物質に当てて、その光がどれくらい吸収されるかを測定するものである。物質によって吸収される波長がことなるため、吸光度は物質の定性と定量に必要不可欠な手法である。

画像内で2つほどモニターがついている部分があるが、ここがポンプになっている。液体を送り出すにはポンプが必要なためである。ポンプの流速や圧力をモニタリングしている。

機械の左側に入っている部分に溶媒が入っており、ここから液体を吸い出して、カラムに通して、検出している。カラムは右から2番目の細長い箱の中である。

そして、自分が測定したいサンプルは、一番右の黒い窓がついた部分に入っている。ここは、オートサンプラーといって、その名の通り、オートで(自動で)サンプルを吸い上げて測定してくれる。サンプルをこの箱の中に入れておけば良いのである。

このような機械を使って、我々の環境バイオテクノロジー研究室は有機酸を測定している。特に、クエン酸、コハク酸、乳酸、酢酸などを測定している。これらは食品添加物としても有名である。

また、コハク酸や乳酸は、プラスチック原料としても利用される。環境バイオテクノロジー研究室では、これらのプラスチック原料となる有機酸を、いかに効率的に作るかを研究している。

研究室配属になると、実に様々な機械を使って、環境や食品、生物機能に関する研究を行っていくのである。

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