2018年3月18日日曜日

藻類の培養の様子。。

我々は環境バイオテクノロジーという名前の研究室である。この研究室では、微細藻類を使った基礎と応用研究を行っている。

藻類といえばノリや昆布などが有名である。これらは大型藻類と呼ばれるものであり、これに対して我々がつかっているのは「微細」な藻類である。これらの微細藻類は単細胞性であり、直径が1マイクロメートルから数十マイクロメートルであるため、顕微鏡を使わないと見えない生物である。

微細藻類の中でもシアノバクテリアという原核生物を使っている。シアノバクテリアは別名ラン藻とも呼ばれている。

熱帯魚を飼っている人は、シアノバクテリアが生えてきて水が緑色になってしまうので、駆除に困っているかもしれない。

また、地球の歴史でいえば、20数億年前にシアノバクテリアが登場したことによって、酸素を発生する光合成が始まり、地球の大気が酸素を多量に含むようになったと言われている。このほかにも、植物の葉緑体の機嫌でもあるので、地球の歴史に大きな影響を与えた生物である。

シアノバクテリアは光合成をするため、実験室では光を当てて培養する。

インキュベーター(培養庫)という箱の中で培養し、温度や光強度などを一定に保って実験を行う。また、1%の二酸化炭素を含んだ空気をバブリング(ぶくぶくさせること)することで、培養液を撹拌するとともに、光合成に使う二酸化炭素を供給する。このようにシアノバクテリアは培養している。

ということで、インキュベーター内の様子である。
Post from RICOH THETA. #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
培養というと試験管やフラスコなどを思い浮かべるが、少し変わった形をしている。

上で述べたように、バブリングをさせる必要があるため、少し大きめの試験管にガラスの管を入れて培養しているのである。バブリングのときに他の菌が混入しないように、滅菌した布団綿を通して通気している。
画像ではLEDライトを用いているが、通常の培養は蛍光灯を用いている。どのような種類の光を使うかも重要である。光合成で使える光の波長は限られているので、これらも考えなくてはいけない。

上の方に見える丸いものは固体培地である。液体に寒天を加えることで固体培地にして生育させることができる。シアノバクテリアを長期的に培養する場合はこちらの固体培地を用いる。
ということで、我々からすると見慣れているシアノバクテリアのインキュベーター内の様子なのだけれど、VR画像にしてみた。ありふれた光景も、VR画像にしてみると新鮮かもしれない。テクノロジーの進歩ってすごいなと感心するばかりである。。

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